大判例

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名古屋高等裁判所 昭和29年(う)498号 判決

論旨は物品税法施行規則の別表たる物品税の課税品目表中にはパチンコ機械は見当らず、原審はこれを同表中の遊戯具に該当するものとしているが同表には遊戯具なる記載につき、(折畳式囲碁盤及棋盤、チエス碁石等を含む)とせられて居り、同表の他の部分の記載と併せ考へると右括孤内の記載は同じく遊戯具であつても囲碁の如く一般に普及したものについては右の如く特記することとしているに因るものと解され、然る以上、同様多量に製造販売せられて広く普及しているパチンコ機械につき同様の記載のないのは、これを同規則上の遊戯具と認めないのに基くものと解すべきであり、しかも本件パチンコ機械はいずれも業者に対し専らその営業用の機械施設として販売せられたものであるからこれを物品税の課税対象たる遊戯具に該るものとし、その製造につき同法の適用があるものとした原審は正に法令の解釈適用を誤つた違法があるといふに在る。

よつて調査するに所論の遊戯具(折畳式碁盤云々)の記載よりみて右は昭和二十八年六月一日施行の同年政令第一〇一号の別表第三十六号(ロ)の記載から来ているものと認められるが、ここに括弧を以て折畳式碁盤等につき特に記載しているのは、所論の如く囲碁用具が一般に普及しているに因るのではなく、右は、同別表第二十二号に囲碁用具、将棋用具及チエス用具として物品税法上一般遊戯具より高い税率を課せられるものとせられて居り、ただ折畳式の囲碁盤等比較的安価なものについては特にこれを遊戯具に含ませ、比較的低い税率を課することとしたによるものと解すべきで、右括弧内にパチンコ機械につき記載せられていないことからそれを物品税法上の遊戯具に含まれぬものと為す所論は到底首肯し得ないところである。ところで物品税法は昭和二十八年法律第四十一号により改正せられていて、弁護人より主張せられ右に説明の物品税法施行規則別表は右改正後の行為につき適用せられるもので、原審認定の被告人の本件所為については同改正法律附則第七項により原判決に記載の通り行為時法たる右改正前の物品税法と物品税法施行規則を適用すべきものであるところ、この改正前の物品税法第一条にも第一項の第一種丁類の四十二に遊戯具なる記載があり、これに対応する物品税法施行規則別表の四十二には遊戯具(卓上ピアノ云々)と記載せられていて、右括弧内の記載もまた冒頭に説明の法改正後の場合と同様同別表第十七号にピアノ云々と記載せられていて右掲記の一般ピアノ等と異り卓上ピアノその他は玩具並に扱はれるものとせられているのに因るものと解すべきであり、従つて前記改正前の物品税法、同施行規則中にも特にパチンコ機械なる記載はないが、これら法規を通覧検討するに、一般に遊戯具と解されているパチンコ機械を物品税の課税対象たる右遊戯具に該るものとした原審の解釈は正当と認められ、更に物品税の課税品目につき一般に法規上所論の如くそれが営業用に供せられると家庭用に供せられるとの如きその使用の目的乃至は場所の相違により課税上、差異が設けられているとも認められないので、原判決の法律の解釈適用上の誤りがあるとする本論旨はその前段後段いずれもその独自の解釈として遽に当裁判所の採用し得ないところである。

(裁判長裁判官 高橋嘉平 裁判官 山口正章 裁判官 伊藤淳吉)

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